データサイエンティストとは?と思ったら読む記事

IT社会の発展にともないエンジニアを目指す方が増えている昨今ですが、データサイエンティストという職業についてよく知らない方も多いのではないでしょうか。
スマートフォンやAIロボット、IoT機器などさまざまな製品・サービスが作られることにより、現代では多くのデータを取得できるようになりました。
それと同時に、データを扱う人間が必要になるわけですが、それがデータサイエンティストという職種になります。

一般の方には聞き慣れない言葉が並びますが、実はデータサイエンスは私たちの生活にすでに深く根づいています。
代表的な例は、ネット通販で現れるレコメンド機能です。膨大な消費者全体の情報から「商品Aを買った人は商品Bを買いやすい」といった仮想の私たちの行動が、データの中から具現化されるイメージになります。他にも自動運転のセンシングやスポーツのリアルタイムでの映像解析など、データサイエンスが持つ力を利用拡大して現在の私たちの生活は成り立っています。

データサイエンティストの仕事内容は、企業やデータサイエンスを担うチームの規模によって異なりますが、一般的にはビジネスにおける課題の把握からデータ戦略の策定、データの収集と集計・分析、レポーティングといった一連の流れを担います。

課題抽出と目標設定
データを集めて分析する前にはまず、解決すべき課題を見極め、目標を明確にする必要があります。
企業が抱える課題には、たとえば「新商品の売り上げ予測」「自社サイトのコンバージョン向上」「商品やサービス認知度向上」「プロダクトの改善」「社員の生産性向上」などがあり、それぞれの課題の背景にはさまざまな要因があります。
そのため、データ収集に着手する前に、まず課題の細分化と優先順位付けを行い、データ分析によって何を達成したいのかを明確にします。このフェーズでは、経営陣や関連部署に対するヒアリングや提案を行う場合もあり、データに対する知識だけでなく自社の事業や市場環境に対する深い理解が求められます。

データの分析~レポーティング

データの準備ができたら、あとは分析、解析作業に入ります。解析結果について考察を行い、テーマや目的に見合った形で結果をレポートにまとめます。

テーマや目的は、冒頭でSNSの分析の例を挙げましたが、ほかにも、例えば以下のようなことが考えられます。

季節や天候による売り上げの変化
精度の高いレコメンドや与信
自社株の変動予測
故障や予防メンテナンスの予測
選挙による候補者・政党の得票
顧客属性による成約率・解約率
これらはすべて一例です。実際には企業ごとの課題、戦略しだいで変わってきます。「データサイエンティストの仕事は特定の○○の解析である」という解釈より、「○○という課題解決に、このデータやこの分析が応用できないかを考える仕事」と理解すべきです。

そして、企業経営者がデータ分析に求めているのは、課題解決や新しい知見につながる情報が欲しいのであって、データそのものではありません。データサイエンティストは、分析したデータを評価、考察してどこが課題解決につながるのか、欲しいデータになっているのかをレポートとしてまとめる必要があります。