暖房代を計算してみる一例

エアコンは、夏の冷房、冬の暖房と、年間を通して活躍する家電のひとつです。
暖房専用の機器よりも電気代がかかってしまうのでは…?と思いつつも、手軽で扱いも慣れたエアコンの暖房機能をついつい使っている、なんてことありませんか?

実際のデータを参考に、冬の電気代がどのくらいになるのか見ていきましょう。
冬の電気代を夏と比較
総務省が発表した「家計調査報告」によると、2021年における2人以上の世帯の電気代の平均は、1ヶ月あたり10,317円です。

季節ごとに見ると、2021年1月の電気代の平均は11,875円で、2020年8月は9,774円でした。
冬の寒い時期の電気代と夏の暑い時期の電気代を比べると、1ヶ月2,101円の差があります。

地域にもよりますが、真夏の室内はエアコンをつけていないと過ごせないほどの気温で、ほとんどの家庭が冷房を使っているのではないでしょうか。
それなのに、夏より冬の方が電気代が高くなるのはなぜなのでしょう?

暖房の電気代が高くなる原因は「気温差」

冬の電気代が夏に比べて高くなる理由のひとつに、「部屋の中と外の気温差」があります。
夏のエアコンの設定温度を、環境省が推奨している28度に設定したとしましょう。この場合、もし外の気温が30度あれば、設定温度との気温差は2度になります。

次は冬です。環境省が推奨している冬のエアコンの設定温度は20度ですが、外の気温が10度だった場合、その気温差は10度にもなります。
室温が設定温度になるまでに時間がかかればかかるほど、消費電力が増えます。
そのため、外と室内の気温差が大きい冬の方が、夏よりも電気を多い電気代がかかってしまう傾向にあるのです。

エアコンの暖房の設定温度の目安は20度

環境省は平成17年度から「ウォームビズ」として、暖房時の室温の目安を20度を推奨しています。
電気代をおさえるためににも、暖房時の設定温度も基本的には20度にしておくとよいでしょう。
ただ、この数字はあくまでも目安。では、エアコン暖房の設定温度によって、消費電力量が変わるのでしょうか。エアコン暖房の設定温度を「22度」と「24度」にしたときの消費電力量を計測して、電気代がどの程度変わるのかを実際に計測して調べました。

エアコン暖房の設定温度を22度にした場合、消費電力量の合計は2,977Whとなりました。電気代は、92.29円。
全国家庭電気製品公正取引協議会「電力料金目安単価」から1kWhあたり31円(税込)として計算しています。
消費電力量は300Wh前後で推移していますが、外気温が高い14時台が最も少なくなり、その後気温が下がっていくにつれて増えていくことがわかります。

エアコン暖房の設定温度を24℃にした場合、消費電力量の合計は3,644Whとなりました。電気代は、112.96円。
全国家庭電気製品公正取引協議会「電力料金目安単価」から1kWhあたり31円(税込)として計算しています。
消費電力量は、多くの時間帯で400Wh前後で推移。22度設定よりも消費電力量の合計は増加しています。また、設定温度まで室温を上げるためにより多くの電力量を必要とするので、消費電力量の変動幅は22度設定よりも大きくなっています。
エアコン暖房は多くの電力を消費するうえ、設定温度を上げればそれだけ電気代の負担も増えてしまうのが分かりました。

環境省によると、冬のエアコン暖房時に温度設定を1℃低くすると約10%の節約ができるとのこと
エアコン設定温度を見直すご参考になれば幸いです。